宮沢賢治
セロ弾きのゴーシュ
ゴーシュは 町の活動写真館でセロを弾く係りでした。けれども あんまり上手でないという評判でした。上手でないどころではなく 実は仲間の楽手のなかでは いちばん下手でしたから、いつでも楽長にいじめられるのでした。
ひるすぎ みんなは楽屋に円くならんで 今度の町の音楽会へ出す 第六交響曲の練習をしていました。

(以下略)

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